有心論
第|章


俺は原田智弥。

生まれてから今まで一度も
人から愛されたことも
人を愛したこともない。


俺が生まれたのは
親が高校生の時で堕ろす金がなく仕方なく生んだらしく生まれてすぐに施設に預けられた。


だから俺はいつも独り。


参観日や運動会なんて
大嫌いだった。


俺以外の奴らはみんな親が
来てて嬉しそうに張り切る。



そんな姿を見ると
俺ってなんなんだろうと思う。


育てられないなら始めから
産むなよ。


顔も名前も知らない親に
向かってやり場のない怒りを
感じたことも何度もある。



俺は生きてていいのか?


そう思うこともあったけど
やっぱり死ぬのは怖い。


生きる意味はわからないけど
まだ死ぬことはできない。






< 1 / 22 >

この作品をシェア

pagetop