有心論
「桜。こいつが俺の後輩の麻聖。」
「はじめまして麻聖で〜…す?
えぇ!!!桜?!」
「麻聖お前、桜と知り合いか?」
「ぃや、知り合いっていうか…」
「お兄ちゃん!!!!」
「え?!お兄ちゃん??!!」
「智弥さん。
桜は俺の妹です。」
「ホントにか?」
「はい。俺は桜と一緒に暮らす為にホストやって金貯めてるんですよ。」
「あぁ。両親が夜逃げしたって話か。」
「知ってるんですか?」
「前に桜から聞いた。」
「そうっスか。
智弥さんは桜とどれくらい
暮してるんですか?」
「大体半年くらいだな。」
「俺…何も知らなかった。
桜はまだ親戚の家に居ると思ってました。」
「お兄ちゃんごめんね!!
あたし、携帯解約しちゃったから連絡先わかんなくて…。」
「別にそれはいいけど、何で智弥さんの家で暮してるんだ?」
「親戚の家で色々あって…
家出しちゃった。」
「家出??!!
そんなに辛かったのか?」
「あんたなんか死ねばいいのにって言われた。」
「ありえねぇ!!!!
俺、今からあいつらの所行って来る!!!!」
「お兄ちゃんやめて!!!
あたしは大丈夫だから。智弥が守ってくれてるよ。」
「でも…っ
俺すげぇ情けない兄貴だな。」
「そんなことない!!
あたしと暮らす為にホスト頑張ってくれてるもん。」
「桜…。」