有心論
何だコイツ?
どう見ても泣き出しそうなのに
必死に強がっている。
もしかしたら俺もなのか?
客のことは金だと思い、偽りの自分でホストをする。
これはただの強がりなのか?
俺はどうしたいんだよ。
わかんねぇ…。
「あの!!」
彼女の声で我に返った。
「あ?なんだよ。」
「あたしに何か用ですか?」
用?
そんなこと言われたって気が付いたら声を掛けていたからな…。
「お前、家出か何かだろ。」
俺は彼女の質問には答えなかった。
「別に関係ないじゃないですか!」
また彼女は睨みながら言った。
「こんなとこに居ると危ないぞ。
ちょっと来い。」
「えっ!?ちょっ…」
俺は有無を言わさず彼女を車に乗せた。