なんで涙が流れるの
「よいしょっと」
僕はパジャマでグシャグシャの髪のまま下のリビングまで壁をつたりながら重たい足を前へ前へと進めていく。
「ごー、よん、さん‥」
いきなり華恋の悪魔のカウントダウンだ。
「三分たつよー」
なんで?なんで勝手に
体が急ぐんだよ?
最悪だ華恋に洗脳されてる。
「はーはーはーはぁー」
走ったおかげで完全に目が覚めた!
まぁー一応華恋に感謝する。
「はいっ!ピッタだ!母さんパン二枚焼いてー?」
「二枚ね!?パンはいいけどあんた起きるの遅いよ明日はもっと早く起きてね?でないと華恋に協力してもらうから」
「そうだそうだ遅すぎ、任せてママ!!しかも三分ちょうどじゃないし、さ・ん・び・ょ・う過ぎてるけど!!」
「うん二枚。
はーい。三秒ぐらい変わらねーよ
「変わるからねっ!!」
「わかったわかった、そうですね」
「なにそれ感じ悪ー」
「ごめんごめん」
なんだかんだ話してる間に時計の針が七時五十分を回っていた。僕は今日から慶陵高校一年生だ。高校までバスで三十分かかるから八時には家を出ないと間に合わない。さすがに入学式そうそう遅刻はマズイ…