誰かを好きになるということ
私がもの心つくころにはもうすでに父と祖父の仲がとんでもなく悪かった。親子なのにどうして?なにがそんなに気に入らないのか…私にはなにもわからなかった。

そんな二人と食卓をともにする私たち妹弟はみんながみんな食事の時間が大嫌いだった。食べている最中におたがいが独り言のようにブツブツと文句をいいあい、罵りあい私の食事への興味はその頃失ったと思う。おいしいものよりもいかにして食事の時間を短くするか…そのほうが私にとっては重要だった。逃げ出したい…この時間を終わらせたい。そればかりだった。







< 3 / 21 >

この作品をシェア

pagetop