これも恋と呼んでいいのか
そして、当日。
隣の市の教会で、秋晴れの青空の下、続々と招待客が集まっていた。
朝からずっとそわそわする琉ヶ嵜。こんな日が自分に来るとは想像もしていなかった。
「とっても綺麗です!!」
誉めちぎる衣装の担当者に、照れ笑いする靖美。
「あっ、ありがとうございます…っていうか、可奈子さんは??」
「可奈子さん??」
「はい、河田可奈子さんと、業平くんの式も一緒のはずですが」
「あっ、はい、伺っておりますが、別室の方で」
なんとなく歯切れが悪い。
首をかしげる靖美。
「どうぞ」
促され部屋に入った琉ヶ嵜が言葉をなくす。
耳まで赤くなり、咳払いすると、
「き、綺麗だな……」
蚊の鳴くような声で。
「あっ、ありがとうございます…」
靖美も小さくなる。
と、両親が来た。
「まあ!!綺麗!!とっても綺麗、靖美!!」
「お父さん、お母さん、長い間、お世話になりました」
ウェディングドレス姿で頭を下げる靖美。
感激する母。父は泣き出し、琉ヶ嵜も、もらい泣きしてしまった。