これも恋と呼んでいいのか
「瓜生さんて、話しやすい人ですね」
うふふ、と笑うその顔が、ますます愛おしくなる。
何だろう。このあどけない感じは。
まるで子供だ。そうか、妹ってこういうものかな。
瓜生は一人っ子だった。
大事にはされたが、成績がよくいい子なのは当たり前で、改めて注目されることもなく生きて来た。
頑張って会社まで立ち上げたのに、愛情は知らないまま大人になっていた。社員が付いてくるわけもない。
僅かな人数で張り詰めた仕事しか出来なかった。
そんな瓜生が、じんわりと温かい束の間の兄妹を味わった気がした。
「初めて言われたよ。そんなこと」
「そうですか?」
食べ終わり、食器を片付ける。
「そうだ!明日、お買い物にお付き合いしてくれませんか??調味料が足りません」
「はっ!?いや、それは係りがいるし、言ってもらえれば買ってくるから…」
「お願いします!!一緒なら問題ないでしょう??逃げたりしませんから!」
囚われの身だということを忘れさせる娘だった。