これも恋と呼んでいいのか
「あのう、自治会の者ですが」
翌日の昼近く。
ひとまずゆきに、一人で瓜生の別荘に行き、インターホンを鳴らしてもらった。
もちろんダミーで回覧板のファイルを持って。
靖美が対応に出るはずもなく、瓜生が玄関から顔を出した。
「はい」
古いインターホンで、モニタータイプではなかったようだ。
「何か…」
「あの、自治会費の集金で回ってるんですが、今、大丈夫ですか??」
「ああ…お待ちください」
瓜生が背を向け入り掛けたとき、靖美が顔を出した。
「ゆきさん!?」
瓜生が、ハッとする。
「声が似てると思ったら」
「し、知り合い?」
「あっ、はい。本屋の先輩です」
「出ちゃダメだ!!」
瓜生が慌てて家の中に押し込む。が、遅かった。
玄関の門の影から琉ヶ嵜と業平が現れた。
「……やっと、見つけましたよ」
「て、店長さん?!どうしてここに!?」