これも恋と呼んでいいのか
「…言えねえのかよ…」
琉ヶ嵜のためだった。というかそのつもりだった。まさかこんな大ごとになるとは思ってもみなかったが。
はーっとため息を吐くと、
「……もういい。帰ってこなくて」
「えっ…」
「店長さん?ここまで来て!なんでそんな」
業平が慌てる。
「お姫様になりてえんだろ?本屋の商売じゃ無理だからな」
「違う…」
「無理しなくていい。このままここにいとけば」
ジャーっと頭からお茶を浴びせられた琉ヶ嵜。