これも恋と呼んでいいのか

「マジウケる~!!!」


靖美の家に帰ると、腹を抱えて、ぎゃははと笑う業平。


顔をひきつらせながら、ぎゅうっと思い切り頬をつねる琉ヶ嵜。


「お前…、帰ったらクビだぞ」


「あっれ~??いいんすか?俺クビにして。一応、靖美とニコイチのセットなってるし。店回んなくなりますよ」


ヘラヘラする。
確かにそうだ。そもそも雇った覚えもないが、ずいぶん働いてくれ、むしろ助かっている。


「ってか、その顔だと、ちゃんと言えたみたいっすね。結果オーライ!!」


また、顔の前でグーポーズを取る。


「趣味なんす。靖美のカメラも、俺の本好きも」


「趣味ねえ…」


「コンクールで賞取ったこともあるみたいで。部屋に写真飾ってますよ。今度見に行きます??」


そういえば、業平は靖美の部屋にも行ってるんだよな。結局出遅れるのか俺は。


「本当に、何もなかったのか?あいつと一緒に部屋にいて」


「ないっすね」


即答かよ。
それもそれで不思議なもんだ。最近の若いのは考えがずれているのか、よくわからん。


男女の仲でなくともルームシェアとかいうのも出来るらしいし。



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