これも恋と呼んでいいのか
話が、変な方向になってきた。
ただ四国の田舎に友人として遊びに来ただけのはずなのに。
プロポーズはするわ、結納品で狩りに出ることになるわ。
今まで生きてきて、人生で一番目まぐるしいかも知れないと琉ヶ嵜は思った。
が、妙に楽しんでいる自分がいた。
「これだ……」
何十年ぶりかに手にした猟銃の重みに、妙にテンションが上がる琉ヶ嵜。シューティングゲームも実は得意だった。
その日、近場の山に入ることになった。
「本当に大丈夫かね」
山の持ち主で、猟師の資格もある父の同級生、森に心配される。
「また、いらんこと吹き込んだんやないやろね?回されるの敵わんで」
睨まれる父。
引くに引けなくなっていた。