これも恋と呼んでいいのか
「美味いっす!!美味いっす!!」
絶品の牡丹鍋をガツガツ食べる業平。親子で料理の腕前がよく、店で食べるような味だ。
「地元の人間でも、猪なんて滅多に食べないから。ゆっくり味わってね」
靖美が業平のご飯のお代わりをよそいながら。
「……ビール、あります?」
琉ヶ嵜が申し訳なさそうに。
「ええんですよお!!もうそんな気い使わんで」
キンキンに冷えたビールを出し、靖美に注がせる。
「お疲れさまでした」
耳まで赤くなって照れる琉ヶ嵜。
「ああ…」
来てよかった、と心から思った。
あの一件がなかったら、こんな流れになっていなかったかもしれない。改めて瓜生に感謝かな、と。