これも恋と呼んでいいのか
「今度こそ、肉、奢ってくださいよ!!店長さんの結婚祝い、俺の就職祝い、ゆきさんの復帰祝い!!靖美の受賞祝い!!」
さすがに髪を黒っぽく染め直し、それなりにきちんとした服装で真面目に勤務し始めた業平。
まともな姿を改めて見ると、なかなかのイケメンだ。ちょっと妬みが入る。若いっていいよな、と。
「何で自分の結婚祝いを自分の金でしなきゃならねえんだ。それなら普通に就職祝いと受賞祝い、してやるよ…」
「マジっすか!?やった!!言ってみるもんだ!!靖美、肉だ肉!!」
子供だな。
靖美が思い付く。
「あっ、どうせなら受賞賞品のお食事券、使いません??」
「そんなの貰ったのか?いや、でもそれはまた別の機会にでも」
奢ると言った手前、割引チケットを使わせるのも躊躇われた琉ヶ嵜。
「いいんです。こういうのはみんなで使った方がお得ですよね?」
「……うん、まあ、…そうかな、じゃあ」
ケチだとも思われたくはないが、大人数なら助かる。