永遠dream

⑥~捨てた平和~

話し込んでいるうちに空は深く夜に染まっていた。

午後11時。

「大分暗くなったね。」

「うん、明日の準備もあるしそろそろ帰らなきゃ。」

私は靴を履いてドアに手をかけた。

「さよなら。」

彼はそう言った。
私はそうは言わなかった。

「・・・・・・っまた、明日・・・!」

次の約束をしたかった。

また会えるように、もうこれ以上彼の心が傷つかないように。

いや、これはただの言い訳だ。
本当は、こうでもしないと彼が離れていってしまいそうで怖かった。

私が、離れたくなかったんだ。


だから彼が少し驚いたあと、小さく微笑んであぁ。と答えたのを見て、心底安心した。
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