永遠dream

②〜はばかる支配者〜

そしていよいよ3人になる。

「絆創膏を剥がしなさい。」

その威圧感に押しつぶされそうになりながら私は答える。

「貴方なら、予想は出来てるんじゃないですか・・・?」

わかっていて言っているくせに。

「まあいい。今まで何度血を吸った?」

今度はレイに向かって話す。

「・・・12回です。」

もう、そんなに・・・
というか覚えてるんだ、全部。

「そうか・・・萌々の血は、美味かったろう・・・?」

「・・・・・・」

にやりと笑った男と、質問に答えられないレイ。
見かねたその人はさらに言葉を放つ。

「月に1度のルールだろう・・・・・・?」

・・・そうだったんだ・・・・・・
でも、紅い目をしたレイはあんなに苦しそうなのに・・・

それに、

「私は・・・血を吸われても構わない。」

先程の私の中で渦巻く圧迫感が嘘のように消えていて、私は堂々とそういった。

一瞬にも、永遠にも感じる沈黙が流れる。

「・・・・・・吸いすぎだ。ルールを守れんやつが生きる資格はない。」

そんな・・・・・・!
人間だって、ルールを守らず生きてる人はいるじゃない!

それに、彼が犠牲になった分だけ彼には優しさがあった。

誰よりも誰かを思いやる気持ちが大きいのに。

なのに・・・

「こんなのおかしい・・・・・・!」

私はそう訴えた。

「黙れ。」

その声にびくりと震える。

「私に、意見するな。」

な・・・によそれ・・・・・・

何か言ってやりたいのに恐怖で震えが止まらない。

・・・はは、情けな・・・・・・

そのとき私の手に温かいものが触れる。
レイは、大丈夫だ、とでもいうように小さく微笑んでみせた。

レイにはバレバレ、か。
・・・安心する。

私の震えはいつの間にか止まっていた。

「そんなに一緒がいいか。」

そんな質問に

「「はい!」」

私たちは声を合わせて答えた。

しかし義明さんの言葉に再び衝撃が走る。

「ならば・・・お前は自分の血を飲め。」

え・・・・・・

一瞬何を言っているのか理解出来なかった。

「少しでも飢えを和らげろ。」

レイはまっすぐに義明さんを見て話を聞いている。

・・・・・・

それでもすぐには答えられず無言の時間が続く。

確かに飢えは和らぐのかもしれない。
・・・気分だけでも。

ヴァンパイアの傷はすぐに消える。

けれど・・・

そういうことじゃないでしょう・・・?

私は傷が消えるとしても傷ついて欲しくない。
それに1番傷つくのはレイの心。

その傷は簡単に治せないでしょう・・・?

それなのに、どうしてそんなにも情のないことが言えるのだろうか。

「・・・月1回だ。忘れるな。」

会長は改めてそう言うと、この場をあとにした。
< 156 / 200 >

この作品をシェア

pagetop