永遠dream

③〜見つけた光と愛〜

泣き疲れて涙が止まると、萌人がそっと腕を解く。

妙な冷静さを取り戻した私は、しかしまだぼんやりしたままで、ぽつりぽつりと呟く。

「服・・・伸びてしまったわね。」

「いいよ・・・そのくらい。」

「私の涙で色も変わってる・・・」

「大丈夫、気にしないで。」

「どうして・・・声なんてかけたの・・・」

「・・・・・・」

「私たちは会ってはいけなかった・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・忘れられないの・・・もう、ずっと・・・
!」

「!!」

そこまで言って、私は初めて自分の本心に気づいた。

どうしようもなく、この人に恋をしている。

「・・・・・・どうしたの。随分とらしくないな。」

そういいながらも萌人は今度はしっかりと私を抱きしめた。

「・・・なにがあったの。」

私は全てを話した。

今までのことも、夫のことも、お腹の中の子のことまで。

最後のバスが闇に消えても彼はずっと真剣に聞いてくれた。

「産まれてくるこの子に、私の育った闇の世界は見せたくないの。でも、これは運命だから。・・・だったらこんな世界、知らないほうがいい・・・・・・。今私がこの子を殺せば、この子はこの穢れた世界を見ないで済むのよ。誰かを殺すくらい簡単だわ。・・・今まで何人ものヴァンパイアを駆除してきたもの。・・・なにが、違うというの・・・・・・。」

そう言いながらも震えるこの手を萌人はしっかりと握ってくれる。

「この子は奈々の子だろう?奈々がこの子の未来を諦めてどうするんだ。たとえ誰が諦めても、君だけは諦めてはいけない。君が今すべきことはこの子の未来を捨てることじゃない。この子のために何が出来るのかを考えることだろう?」

それを聞いて、私には初めて光が見えた。

それと同時にこの子を産むことを決意した。

この子を守って・・・幸せにしてみせるって。

そう、決めた。


たとえ、どんな犠牲を払ったとしても。
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