永遠dream

④〜すべて、愛〜

帰りの飛行機の中、私は母にされた話を思い出していた。

「ヴァンパイアにはヴァンパイアの世界がある、人間には人間の世界が・・・・・・。けれど、ハンターの血筋は人間側についていても人間とは相塗れない。ハンターであることを隠して人の世界を生きても、周りの人はみんな先に死んでいく。同じ時間を生きられる者は、数少ないハンターの血筋の中にしかいない。そう考えると、私たちはきっと1番孤独な世界を生きているの。でも、それにすら気づかずに自分たちの正義を掲げて戦うの。相手の想いを聞く耳など持たずに・・・・・・これが、とても悲しい現実よ。だから・・・・・・!あなたには、普通の人間としてその一生を閉じて欲しかった。私が今まで見てきた誰よりも、幸せに生きて欲しかったの。」

母の瞳にはもう、私だけしか写っていなかった。
そしてそれは何度も見たことがある瞳だった。

・・・・・・今ならわかる。

母がどうしてあんなに厳しかったのか、私の力をどうしてあんなに必死で隠そうとしていたのか。

どうして・・・・・・何も教えてくれなかったのか。


私はとても恵まれていたことに、今気づいた。
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