永遠dream
男は、一切の迷いなく引き金を引いた。

引き金を引いてあるうちは延々と放たれる弾丸。

男自身の身体能力。

それを避け続けるのは至難の業だった。

避けきれず能力で壁を作ったが質が悪くあっさり破られて腕をかすった。

「く・・・・・・っ」

さっき能力を使ったことと腕を怪我したことで眩暈がした。

もう、100年吸ってない。

ドリンクだけでは栄養が偏る。

そろそろ限界が近いことは俺が1番わかっていた。

ここまで、か。

観念して膝をついた。

男の口元に笑みが浮かんだのが見えた。

「命乞いでもするか?」

お生憎さま。

俺は命乞いをするほど生に執着していない。

時間も稼げた。

大丈夫だ、してやれる精一杯のことはやったつもりだ。

未練なんてもともとない。

「お前、俺で最後にしとけよ。」

聞くわけもないだろうが忠告した。

「はっ、ここに来て仲間の心配か。まずはてめぇの身を案じやがれ。まぁもう、俺にこれされるがなー!あははははっ!!」

全く、血も涙もない。

呆れてため息をつくと、

「だめっっっ!!!」

そんな悲鳴にも似た叫び声が聞こえた。
< 188 / 200 >

この作品をシェア

pagetop