永遠dream

②~別々の世界~

…………瞳が赫い。

「どうしたの!?」

私は彼に目線を合わせる。

 「…………っ……ごめん…………!」

え?なんで、あやまっ…………

    ドサッ

彼に押されて私は背中から床に倒れ込んだ。

彼の牙が私の首に深く突き刺さる。

「うっ…………った…………!」

私は痛みに耐えられなくて、気がつくとレイさんの服を引っ張っていた。

でもレイさんは、私の血を吸うのをやめない。

「ちょ…………っ!」

私はさらに手に力を込める。

  血を吸う音が頭の中に響く。

ハァ…………ハァ……

息が切れる。

だんだんと痛みに慣れる。

  そして、そのおかげで気づく。

前とは違って恐怖は全く感じていないことに。
レイさんが触れる、その手の優しさに。

それに気づくと、自然と体の力が抜けていった。

他のことを考える余裕まで出てきた。

あー、なんで今来たんだろう。

だから私は天井を見つめながら、そんなことをぼーっと考えていた。

  私の治ったばかりの首筋にはまた新しく、吸血の証が刻み込まれた。
< 34 / 200 >

この作品をシェア

pagetop