永遠dream

  隣から、ドアの開く音が聞こえる。

壁が厚くても勢いよく開くと玄関のドアの音は微かにわかる。

そして、少ししたあと再び玄関のドアが開く音がした。

いつもなら、すぐにうちのドアが音を立てる。

俺は、そうなることを願った。

……だが、いっこうに音がしない。

ドア越しに萌々の気配を感じる。

なのに…………！

萌々はもう、俺のことを嫌いになったのかもしれない。
萌々の中で俺は、ただ人間に恐怖を植え付けるだけの獰猛な獣に成り果てたのかもしれない。

もし、そうだったら…………？

もう今までみたいに話をすることもできないのか？

…………嫌だ。

それは俺のわがままかもしれない。

けれども、ドアの前には萌々がいる。
ちゃんと手を伸ばせばわかるところにあいつがいるんだ。

だったら…………

俺は、ドアを開けた。

 「わっ、びっくりした。なんでわかったの？」

「萌々の気配がしたから。」

 「ふーん、そっか。」

ぎこちない会話が続いた。

俺は、少し緊張しながら口を開く。

「昨日…………すまなかった。」