永遠dream

⑤~友人の正体~

「じゃあな。」

 「おやすみー!」

そんな会話をした1時間後、俺は再び家を出た。

階段をそっと降りる。

そうして俺は友人のもとへ向かった。

「おう、ニーチャン。こんな夜中にどうした?……って、なんだレイか。」

そう、この『管理人』こそが俺の今一番身近な友人、 ユーフォルビア・セオだ。

「お前相変わらずおかしなカッコしてるなぁセオ。」

帽子にサングラス、つけ髭にお腹周りの詰め物。
パッと見た感じだと人間でいう中年男性あたりに見える。

 「あぁ、でもなれたら結構しっくりくるよ?」

そう言って彼は微笑む。

「で、さっそく本題なんだが……今日来た2人組についてだ。あいつらが何者か調べてくれ。」

 「了解。でもその前に……」

セオが俺の肩に触れた。

 「燃えカスついてるよ。」

「え?あぁ、ありがとう。」

萌々に会う前に確認したつもりだったのに。


ヴァンパイアは、日の光に弱い。

まぁ治癒能力ガ高いから特別問題があるわけではない。

ただ…………

目が潰れる。

そして日に当たった皮膚は燃え、再生を繰り返す。

そんな時に敵が来ると都合が悪いので、大体のヴァンパイアは昼間は基本日の当たらない所で過ごす。

“ヴァンパイアは暗闇を好む”と言われるゆえんだ。

でも、萌々と会えるのならそのくらい平気だ。


 「――で、話だけど。レオの思うとおりだよ。」

その一言に俺は一瞬動揺した。

セオがパソコンの画面をこちらに向ける。
そこにはさっきの2人組のことが書かれていた。

あぁ、それのことか。

『レオの思うとおりだよ。』

そう言われた瞬間、真っ先に浮かんだのは萌々の事だった。

だけどそこに彼女のことは一切書かれていない。

勘違いならそれでいい。
この事はこれっきりにしよう。

そこで俺はやっと吹っ切れたのだった。

  頭を切り替えて、パソコンに集中する。

そこには先程アパートのカメラから分析し、そこからインターネット内を駆け巡った結果が書いてあった。

既にまとめてあったことからセオも気にしていたことがわかる。

「クロユリの Originalと Entourage……枠外か。」

 「うん。組織の忠犬とその側近だね。」

「それに……」

俺はパソコンに載っているある文字に目を見開く。

    『明草高校生徒会会長、副会長』

「これ、萌々の学校…………。」

 「そう、そのことで提案があるんだけど。」
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