永遠dream
③~不安の声~
「防燃剤も飲んだし、香止水もつけたし…………うん、問題ない。」
どうやら『防燃剤』は太陽の光に当たった時に燃えるのを防ぐための錠剤、『香止水』はヴァンパイア特有の匂いを消すための香水らしい。
私も、レイさんと今まで以上に長い時間を過ごせるのは確かに嬉しかった。
だけど心配事もある。
「…………でも、知り合いだってバレたら大変そうだな。さっきだってあんなにたくさんの人に囲まれてたし…………。」
私はここまで言って、慌てて口を閉じた。
私、なんてことを…………!
「ごめんっ…………。」
傷ついたよね……怒ったよね…………。
どうしよう…………。
レイさんは何か言おうとして、ぐっと口をつぐんだ。
そして再びゆっくりと口を開く。
「そうだな…………じゃあ萌々の日常生活に差支えが出ないために俺は萌々に極力近づかないようにする。だから…………。」
そして改めて私に向き直ると、優しく言った。
「萌々が助けて欲しい時だけ呼んで?…………それでいいか?」
「…………うん。」
レイさんの優しさに、少し視界が潤んだ。
「さっきのことは、遠い親戚とかなんとか言ったらどうにかなるだろ。でも……もし声をかけることがあった時のために、さん付けだけやめないか?」
突然の提案に驚きつつも頷く。
「…………そうだね。」
同い年の親戚をさん付けで呼ぶ人はあまりいないだろう。
仮にもそういう設定にするのなら、あらかじめ慣れておいたほうがいい。
「ほら、1回呼び捨てで呼んでみ?」
「え、今…………?」
レイさんに問うと、そうだ、と言うように頷かれた。
私の顔は、一気に熱を帯びた。
私、今絶対顔赤い…………。
「…………い、嫌っ……!」
私はとっさに答えた。
「あー残念。…………じゃ、もう行くわ。」
レイさんはそう言ってドアを開ける。
え、このまま…………?
っ待って!
私は覚悟を決め、その名前を呼んだ。
「レイ!」
その声にレイさんは振り向いた。
「ありがとう!」
私は満面の笑みでそう言った。
するとレイさんも大きな笑みで返してくれた。
そして、また歩き出したのだった。
その背中を見送った後、私はひとり呟いた。
「“レイ”……かぁ…………。」
私の顔は、自然と綻んだ。
どうやら『防燃剤』は太陽の光に当たった時に燃えるのを防ぐための錠剤、『香止水』はヴァンパイア特有の匂いを消すための香水らしい。
私も、レイさんと今まで以上に長い時間を過ごせるのは確かに嬉しかった。
だけど心配事もある。
「…………でも、知り合いだってバレたら大変そうだな。さっきだってあんなにたくさんの人に囲まれてたし…………。」
私はここまで言って、慌てて口を閉じた。
私、なんてことを…………!
「ごめんっ…………。」
傷ついたよね……怒ったよね…………。
どうしよう…………。
レイさんは何か言おうとして、ぐっと口をつぐんだ。
そして再びゆっくりと口を開く。
「そうだな…………じゃあ萌々の日常生活に差支えが出ないために俺は萌々に極力近づかないようにする。だから…………。」
そして改めて私に向き直ると、優しく言った。
「萌々が助けて欲しい時だけ呼んで?…………それでいいか?」
「…………うん。」
レイさんの優しさに、少し視界が潤んだ。
「さっきのことは、遠い親戚とかなんとか言ったらどうにかなるだろ。でも……もし声をかけることがあった時のために、さん付けだけやめないか?」
突然の提案に驚きつつも頷く。
「…………そうだね。」
同い年の親戚をさん付けで呼ぶ人はあまりいないだろう。
仮にもそういう設定にするのなら、あらかじめ慣れておいたほうがいい。
「ほら、1回呼び捨てで呼んでみ?」
「え、今…………?」
レイさんに問うと、そうだ、と言うように頷かれた。
私の顔は、一気に熱を帯びた。
私、今絶対顔赤い…………。
「…………い、嫌っ……!」
私はとっさに答えた。
「あー残念。…………じゃ、もう行くわ。」
レイさんはそう言ってドアを開ける。
え、このまま…………?
っ待って!
私は覚悟を決め、その名前を呼んだ。
「レイ!」
その声にレイさんは振り向いた。
「ありがとう!」
私は満面の笑みでそう言った。
するとレイさんも大きな笑みで返してくれた。
そして、また歩き出したのだった。
その背中を見送った後、私はひとり呟いた。
「“レイ”……かぁ…………。」
私の顔は、自然と綻んだ。