永遠dream
昼休みになり、ほず達と中庭でご飯を食べる。

 「萌々!あんたあんなにかっこいい親戚がいたんだね!」

ほずが笑顔で聞いてくる。
もう、この話は学校中に知れ渡っている。
ほずはこんな風に言ってくるんだろうなぁと予想もできてた。

「…………うん。」

 「ねぇ…………」

ほずが顔を近づかせてきた。

 「今度ゆっくり紹介して……?」

これはあくまでお願いだが、ほずのその目は有無を言わせまいとしていた。

    ドクン…………

私の心臓が音を立てる。

だけどその音とは裏腹に私の頭は冷えていた。

こうやってまた、利用されるんだ…………。

感情と理性が入り交じる。

こんなふうになりたかったんじゃない。

私は、下を向いたまま声を絞り出した。

「ごめん…………紹介できない。」

 「…………なんで?」

ほずが不機嫌に放ったその声は、場の空気をさらに重くした。

ほずは……“従え”と、そう言ってるんだ…………

私が従ったら仲良しでいられる。

…………表面上は。

だったら、本当の意味での友達になれないなら私は…………この勇気を無駄にはしない。

「……私は、ほず達にとって“必要な存在”じゃないよね。」

本当は、言うのも辛い。

 「は?なに…………急に。」

私は両手を固く握ってひとつひとつ言葉を重ねていく。

「……見ちゃったの。私が、『ドーナツ食べに行こう』って誘ったあの日。4人で…………遊んでたところ。」
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