永遠dream
金曜日、帰り道。

俺の隣には萌々がいた。

さっきからずっと思い詰めた顔をしている。

萌々の友達の事だろうか。

今日萌々の友達、佐藤帆純は屋上から飛び降りた。

自殺“未遂”で終わったのは萌々のおかげだと聞いた。

そこからずっと萌々の様子はおかしかった。

でも、どうも引っかかる。

俺には一切話してくれないのだ。

結局、萌々には何も聞けないまま家に帰った。

次の日、萌々はいつもの時間に家に来た。

玄関に出ると萌々は言った。

 「今日はお母さんに会ってくるね。」

そうして、振り返ることなくアパートを出ていった。

…………おかしい。

今まで何度か親に会いたくないのか、と聞いたことがある。

でもその度に苦い顔をして首を横にふった萌々を俺は知っている。

その萌々が自ら母親の元に向かった。

…………おかしい。

本当に昨日のことと関係があるのか?
なぜ昨日、俺に何も言わなかった?

……なにかに気づいたのかもしれない。
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