永遠dream
私は、ハンターとしてその生を受けた。

両親がハンターの血筋の場合、産まれてくる子は産まれたその瞬間からハンターの称号がつくのだという。

そしてその力は約5年ほどで覚醒する。

なので産まれて5年後からハンターの学校に通うのが義務だそうだ。

  ハンターは人の3分の1倍の速さで成長するから15年生きて人間の5歳と見た目が同じくらいになる。

それをなくすために3倍の速さで成長する注射を私は毎月していたらしい。

その注射が記憶にも作用するからか、そのことを私は一切覚えていない。

私は人間と同じスピードの命を生きた。

そして5歳の時、その力が覚醒する。

あの、猫の事件だ。

すべてを悟った母は、自らが作った薬を私に飲ませた。

ハンターの血に含まれるヴァンパイアの細胞の、活動を休止する禁術を施したものだ。

そうすることで私は人間としての人生を歩み始めたのだった。

そして今回の出来事。

どうしても助けたい。

その思いが再びハンターとしての力を呼び起こしたのだという。

穏やかな日々を過ごしていたなら、決して力を呼び起こすことなく一生を終えることの出来る強い術。

今回の出来事だけでこの力が目覚めようとするのはおかしいらしい。
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