クリスマスプレゼントは王子さま



「命……なに……何ですか、それは!?」


私は思わずレン王子に詰め寄った。


「確かに私はあなた達と一緒にお風呂とご飯には行きましたけど……誰と知らなかったんですよ。お誘いした私は責任がありますからともかく、弟達は無関係じゃないですか!」

「もはや完全に無関係ではない」


レン王子は相変わらず起伏がない淡々とした物言いで、この人には血も涙も無いのかと頭に血が昇る。


「巻き込むなら、私だけにしてください! 弟達は学校が大好きで……まだ終業式まで何日もあるんですよ? 楽しみが少ないからせめて学校にはちゃんと行かせてあげたいのに」


ぽろぽろと涙が出てくるのは、何のためか。もういろんな感情がごたまぜになっていて。訳がわからない。


その場に崩れ落ちて涙を流す私に、レン王子が自ら膝を折ってこう呟いた。


「……なら、一つだけ方法がある。相手の注意をあんたに集中させる方法が」

「え……それは? 教えてください! 弟達が少しでも安全になるなら……私、何でもします!」


多少の危険があろうと構わない。その分弟達が安全に暮らせるなら……と飛び付いた私に。レン王子はとんでもないことをサラリと口にした。


「あんたが、オレの恋人になればいい」



……………………。





「はいいいいっ!?」




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