その手に錠をはめるまで
「りっ、リツ様!
彼女っているんですかぁ?」
誰もが思っているだろうことを真っ先に聞く。
すでに女子たちがリツの周りを取り囲んでいるが、あたしもその輪の中にいるのだ。
「いや、いねぇ」
キャーッという一歓声の後に、誰かが言う。
「リツ様ぁ、彼女にしてくださ~いっ」
「あ?
俺は彼女なんて作らねぇ。
セフレでいーなら抱いてやる」
それが狙いなんだろ、とでも言うようにリツはケラケラと笑う。