その手に錠をはめるまで



「りっ、リツ様!


彼女っているんですかぁ?」



誰もが思っているだろうことを真っ先に聞く。


すでに女子たちがリツの周りを取り囲んでいるが、あたしもその輪の中にいるのだ。



「いや、いねぇ」



キャーッという一歓声の後に、誰かが言う。



「リツ様ぁ、彼女にしてくださ~いっ」



「あ?


俺は彼女なんて作らねぇ。


セフレでいーなら抱いてやる」



それが狙いなんだろ、とでも言うようにリツはケラケラと笑う。



< 100 / 169 >

この作品をシェア

pagetop