その手に錠をはめるまで
いくつかの授業も終わり、お昼時になってまたリツに群がる女子たち。
今度はクラスの女子たちだけでなく、他クラスの女子まで、もっと言えば、他学年の女子たちでさえ集まっている。
「きゃあっ、リツ様よ!!」
「リツ様ぁ~」
俺様何様のリツには、リツ様がよく似合っている。
萌恵奈の傍にいるあたしは、リツ様かっこいいねって言い合いながら、目を光らせてリツを見る。
もう面倒くさいからあの輪の中には入りはしないけど、それでもリツを想っているような眼差しを送る。
しばらくして、あたしたちはお昼ご飯を食べる。
朝、萌恵奈のお母さんが作ってくれたお弁当だ。
ご飯だけは教室で食べていたくないから、あたしと萌恵奈はコールなんて言う気取った名前のパソコンがいっぱいある情報教室に行く。