その手に錠をはめるまで
「んーっ、やっぱりここが1番のんびりできる!」
そう言って足を伸ばす萌恵奈からは、色気がだだ漏れしている。
世の男子が見たら全員鼻血でも出してバイバイだ。
あたしもあたしで長い黒髪をかき上げて、キュッと1つに束ねて後ろに結ぶ。
「ふっ、萌恵奈といると飽きないからいい」
「うっわー、あたしを暇つぶしみたいに言わないでよねっ」
そんなわけないじゃん、萌恵奈とはいつもどんな時だってずっと一緒にいたんだから。
萌恵奈はあたしにとってかけがえのない存在だ。