その手に錠をはめるまで


そういう調子で今日を過ごして、ただいま萌恵奈の家。



「・・・・・・で、どういうことなの」



「いやぁ、お前が見張ってくれれば安全だと思ってな」



そう言う彼は萌恵奈の父、昴だ。


書斎には基本あたしと昴が入るだけで、他の人は入らない。



「お前が知っているかどうかは分からんが、ついこの間LOCKの幹部が1人やめたんだ。


その2日後、誰かはよく分からないが、1人新たに幹部になった奴がいる。


新入りの幹部の方は、本名もよく分からない。


LOCKが動きを見せているんだ。


俺たちも警戒せずにはいられないだろ?」



その言葉に、あたしは確かにとうなずく。


でも、それってつまり、LOCKが見張られていると捉えてもいいんだよね?


あたしにしたら動きにくくなったっていうことだ。



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