その手に錠をはめるまで


レイとしてのあたしがバレたら、危険だ。


できることならバレずに過ごしたい。


もしバレてしまえば、レイとして動かしてもらえなくなってしまう。


それが分かっているからこそ、あたしはLOCKのことを一言も話さなかったのに。


昴は勘が鋭くて困る。



「というか、LOCKってそんなに危ないところなわけ?」



薬とかにも手を出しちゃっているとか?



「いや、あいつらは何もしていない」



その言葉にあたしはどうしてだかほっと息をつく。


でも、昴の言い方は何かを含んでいるような。



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