その手に錠をはめるまで
2lock

錠1




「ねえ、あんたたち、Rの行方知っているんでしょ?」



騒がしい喧騒の中、あたしはそこら辺にいた奴らに声をかける。



「ねえ、知っているんでしょ?


それとも知らないの?」



奴らの反応は大体毎回するみんなの反応と同じで。


はあ、今日も収穫なしかぁ。


顔を青くして、大きく首を振る。



「脅されているんでしょ?」



それくらい分かる



そう言えば、仲間を見つけたのかのように話し始めた。



「Rはこの街にいらっしゃるそうだ。


というか、あんたこんな夜中に1人で・・・・・・何者だ?」



何者かも分からないような奴に、情報を与えていますけど。



「さあ?


その辺の女とはちょっと目的が違うってだけじゃない?」



< 11 / 169 >

この作品をシェア

pagetop