その手に錠をはめるまで


雨によると、LOCKの情報自体があまり出てこないらしく。


制限された情報の中で、いかに動けるかが大切になってくると思う。



「もう、寝るね」



そう言ってあたしは部屋を出る。


昴の方を振り返らずに、ただひたすらに前だけを向いて。


大丈夫だよ、お母さん、お父さん。


あたしが絶対に捕まえるから。


大好きな2人のためだったらなんだってできるから。


汚いことだって、残酷なことだって。


だからあたしは消しに行くの。


どこにいるのかも分からないRを。


奴だけは許せない。


全ての引き金は奴だから。


できることなら死よりも苦しい罰を。


拭いきれない罪の上に、被せてあげるから。


あたしは残忍な笑みを浮かべた。



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