その手に錠をはめるまで


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「響姫、おはよう」



あたしが目を開けば、そこには見目麗しい顔が。


え、待って不法侵入?


って、雨・・・・・・。



「また雨ロック外して入ってきたでしょ。


あれだけやめてって言っているのに」



しかも気配もまるで感じさせないなんて、まだまだ雨には負けている。


悔しいけど、事実だから何も言えない。



「ふっ、響姫だって俺が入ってきたとき起きてただろ」



・・・・・・あれ、記憶がない。



「セスだって俺を大歓迎してくれたんだけど、覚えてないか」



いや、たぶんあたしもセスも寝ぼけていただけだと思うよ。


知っている人の匂いだしってことで、あたしたちはきっと雨が無害だろうと思ったんだろうけど。


無意識のうちに雨に気を許していたみたい。


絶大な信頼を置いているのは確かだけど、これが他の人だったらヤバかった。



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