その手に錠をはめるまで
「って、そうじゃなくてっ。
学校だよ、学校!
響姫も行くのっっ」
萌恵奈が心底うんざりした顔であたしに言う。
いやいや、あたしだって途中から気づいていたからね??
それでも言わなかっただけなんだからね!?
「うー、分かったから。
着替えて学校に行こう」
呟いてからあたしは黙々と服を脱ぎ始める。
「あのさぁ、どうしてここで脱ぐの。
2階で着替えてきなさいっ」
あたしが服を脱いでいるのを見たのか、萌恵奈は女相手になぜかピュアな反応をする。
そんなに恥ずかしがらないでほしい。
顔を赤らめてあたしを睨んでくる萌恵奈に苦笑いして、制服を取りに2階に上がった。
着替えてみて鏡を見るけど、やっぱり似合っていない。
「着替えたでしょ、響姫。
早く出てきて、学校に遅刻しちゃうよ?」