その手に錠をはめるまで
これで来なかったら、何のために学校に来ているのか分からないし。
女と遊びたいなら、とりあえず身近な学校がいいだろう。
確か前にもらった資料の中に、あの男についての情報が詳しく書いてあって・・・・・・、前の学校の女に飽きたからこの学校に来たっていう噂があるらしい。
はっきり言って要らない情報だとも思うが、与えられた資料には目を通し、記憶しておく必要があると思う。
時に、そんな些細な情報ですらも武器に変えることができるのだから。
「それにしても、今日は変な天気じゃない?
曇っているような、晴れているような・・・・・・」
確かに、周りは明るいのに、空を見上げれば白い雲が太陽を隠している。
雲が薄いせいかかろうじて太陽光は届くものの、今日は雨が降るかもしれない。
「雨、降ればいいのに」
そうすればきっと、きっと・・・・・・。
「ん?
何か言った?」
何でもないと返して、あたしたちは歩みを進めた。