その手に錠をはめるまで
錠6
「リツ様ぁーーーっ」
「今日も見目麗しいですぅ~!」
「今、目が合っちゃったんだけど!!!」
え、えっ、えぇっ!?
え、うん、え?
イヤなんだけど、何ここ、何この空気。
どうして朝からこんなに騒ぐの、というか、不良なら堂々と遅れて来いよ。
これも全て、リツが学校に来るからいけないのだ。
はあ、と内心ため息をつきつつ、あたしと萌恵奈は目をハートにしてキャーキャー騒ぐ。
あーあ、あたしの高校生活、完全に終わった。
もっと普通に、こう・・・・・・、目立たない高校生活を目指していたのに。
もうイヤ、どうしてあたしがこんな目に遭わないといけないわけ。
昴の決めたことには、ほとんどの人が逆らうことができない。
それはあたしも例外でなく、第一昴の役職はずいぶん上だから、反論できる人も10人いないんじゃないか。