その手に錠をはめるまで
「そういえばさあ、聞いた?
リツ様また、繁華街で暴れてるらしいよ」
「うっそお~、またぁ?」
「それがね、今回はなぜか特別らしくてぇ~」
「何々!?
特別ってどういうこと?」
「うん、なんか最近新しくLOCKに入った幹部の人が、なかなか来てくれないからっていうことで暴れているらしいのよねえ」
「何それ!
リツ様って、そっち系だったの~~?」
教室に入ってみれば、一部の女子が集まってリツの話をしている。
「ねえ萌恵奈、あれ何?」
「さあ?
リツ様の噂しちゃいます会みたいな??」
適当に言って笑ってるけど、それなんかまんま当たってる気がするんだけど。
ガヤガヤうるさくてかなわない。
リツがここにいたら、あんたたちそんな言葉一言も発せないでしょうが。
とか思いつつ、あたしは彼女たちに近づいていく。