その手に錠をはめるまで
「あっ、えーっと、あたしって老け顔らしくて、よく言われちゃうんだよね。
高校生に見えない、とか。
だから不安になっちゃって」
そう言うと、なぜだか女子4人、萌恵奈を含め5人に一斉に笑われた。
え、え、え?
なぜ笑われるんだろう、あたしはウケとか狙ったわけではなくてですね・・・・・・。
「あはははっ、いやー、中城さんって大人びてるからとっつきにくそうだったんだけど、なんだ、こんなに面白い子なんじゃん、ねえ」
「ホントホント、うちら中城さんに話しかけられたとき、内心ドキドキしてたんだけど、フフッ、変な人だね~」
「普通に高校生に見えてるよ!
中城さんって自覚はしてなさそうだけど、男を寄せ付けない系の美人だよねぇ。
あたしらもなかなか話せなかったけど、中城さんと話せてよかったぁ」
「まあ、何か困ったことあったら言ってよ。
あんまり学校に来てなかったから、忘れてることも多いでしょ」
次々に話し出した彼女たちは、さっきまでの話し方が嘘のようにすんなりと会話が進んだ。
ありがとうと笑って萌恵奈と女子4人の前から離れた。