その手に錠をはめるまで



たとえ萌恵奈でもあたしの仕事の邪魔をしようものなら、彼女を倒さなければならなくなる。


最後に全てが丸く収まるわけじゃないと思うけど、それでもそうなった時のことは最後に許してもらいたい。



「そう、でも萌恵奈に何ができる?


あたしと一緒に仕事をしているなら、いつもあたしが何を見て何を思って行動しているか分かっているでしょ。


あたしは邪魔だと思ったら切り捨てるから、その覚悟がなかったらたとえ萌恵奈でも酷いことしちゃうかもね」



はんっと鼻で笑って、これ以上この件に萌恵奈を巻き込まないようにする。


それでも今までの経験上、萌恵奈は諦めないだろうけど。


あたしが萌恵奈のことを知っているということは、その逆も然りで、萌恵奈もあたしのことを知っている。


だから、少なからずあたしが本当にそうは思っていないと、そう思うはずだ。


だけど今度は、今回ばかりは絶対に譲れない。


辿り着けなかった迷路のゴールに近づけそうなのに、どうしてこんなところでやめなくちゃならない。


あたしはあたしのしたいようにする、それがイヤならもう関わるな、と萌恵奈にあたしとの境界線を明確に示す。



「何かあったら・・・・・・絶対にあたしに言ってね。


危ないことは絶対にダメだよ。


それを守ってくれるなら、あたしはもう何も言わないから」




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