その手に錠をはめるまで



だから結局は事務に入って資料まとめをするはめになるのは当たり前のことで。


だからといって萌恵奈ができない奴かと言われればそうではない。


逆に、警察の新人では十分なレベルである。


あたしとバディを組んで仕事に出ることもまあまああるし。


その仕事はあたしがいつもする仕事よりいくらか楽。


だけど昴がいつも追っている事件なんかは、そういうレベルでは話にならない。


あたしたちの年代にしかできないこともあるから、そういう時は萌恵奈が大活躍するけど。


それでも萌恵奈はあたしが信用している一番相性のいいパートナーだ。



「学生の本文は学業ですぅーーーっ!」



ぶりっ子声でびしっと指をさして言った萌恵奈を横目に、授業が始まると思い無視して席に着いた。



「ちょっ、響姫のアホぉーーー」



口から飛び出る言葉がそんな幼稚だと、みんな引いちゃうよ萌恵奈。


恥ずかしいと思いつつ、とりあえず無視を決め込んであたしは授業道具を準備した。


しばらく学校に行っていなかったから授業についていけるか少し心配だ。


一応問題集とかには目を通してはあるし、雨にも昔徹底的にしごかれたりしたから・・・・・・大丈夫だとは思う。


最近は任務のことばかりしか頭になくて、何をやったか忘れてしまったけど、授業をする内に思い出すだろう。



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