その手に錠をはめるまで


だけど、それでも見つけるって決めた。


大好きだった両親を思い出して。


ねえ、聞いても答えなんて返ってこないって分かっているよ。


それでも、それでも・・・・・・。


幸せ、でしたか?


シーンと静まり返っていて、声1つ聞こえない。


分かっていたけど、それでも辛い。


走りに走って、洋館にたどり着く。


洋館の少し手前で走るのをやめて、大きな扉の前に立っている門番らしき1人の男を見つめる。



「お前、新入りか?」



扉の前に来て聞かれたその言葉。


ためらうことなんてない。


これでやっと・・・・・・。



「はい。Rさんに憧れて」



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