その手に錠をはめるまで
「あたしはたぶん、どんなことをしてでも捕まえないと気が済まないと思うから、きっとすごく迷惑をかけることになると思う。
・・・・・・それでも、いいの?」
それでもいいのか、聖には本当にその覚悟があるのか。
あたしは聖の言葉に甘えて巻き込んでしまってもいいのか。
「実は、俺だけじゃないんだこの依頼を受けようとしていた奴は。
俺の他に俺たちの部署の・・・・・・仲間がみんなこぞって引き受けようとしていた。
生憎、資格を持っているのは俺だけだったから、願うも叶わずだったわけだが」
あたしたちの部署は部署という割には小規模で、総勢5人といったところ。
たったの5人、されど5人だ。
あたしたちの検挙率や難事件解決率はどの部署よりも高い。
変わった人間ばかりの変人部署と呼ばれることもしばしば。
だけど顔面偏差値は無駄に高く、あたし以外の奴らだけだとかなり高くなるんじゃないかな。
あたしが30くらい下げていたとしても、60くらいのところに居座ってそう。
もちろん、雨には遠く及ばないけどね。
あんなに完璧な人は生まれてこの方見たことがない。
本人にそれを言ったらすごく嫌そうな顔をされるけど。