その手に錠をはめるまで
その願いが通じたのか、彼はボソボソと同じようなことを繰り返して去っていった。
よかったと思う以上に、なぜだか複雑な気分だ。
さすがにLOCKがこんなので大丈夫なのかと疑いたくもなるが、今この場にいるあたしには関係のないことだ。
今日の夜は、行こうと思っているけど。
リツがあたしが・・・・・・レイがいないせいで荒れているのなら、さすがにそれは止めないといけない。
ほぼ毎日行くようになってしまうかもしれないけど、それもいた仕方のないことなのだろう。
リツがあれほどレイに拘る理由が分からないっていうのもあるけど、なんだかむしゃくしゃしてしまう。
リツは結局何がしたいのか分からない。
だけどこれはLOCKにいるみんなにも言えることだから、何もリツだけが特別なわけでは決してない。
とにかく今は保健室に行こう。
最終的にあたしは2時間目までサボらなければならないらしい。
リツが教室に入った後に立て続けに入れば、きっとみんなは何があったのか知りたがるだろう。
そうなってしまうのだけは勘弁だ。
もう始まってしまっている2時間目の授業の先生に、後で何か言いに行こう。
今日は驚くことが多すぎて、何のために学校に来ているのか分からなくなる。
聖はいるし、ホントなんなんだよこの学校。
面倒くさいよ、なんて心の中で呟いて、あたしは保健室のベッドで眠りについた。