その手に錠をはめるまで
なんて言う萌恵奈に再びごめんのポーズを取る。
「もういいって。
それより、今日は珍しくメールを来れたんだね。
今日は授業を受けないからよろしく、だっけ?
いつもそんな風に前もって連絡を来れればいいのになあ」
にこりと笑った萌恵奈の顔は、軽く皮肉が込められているのが伝わった。
そして何よりも気になるのが・・・・・・あたし、萌恵奈にメールなんて送っていない。
思い返してみても、聖に会って、リツに会って、それから保健室に直行。
これだけだったはずなのに。
そうこう考えているうちに、萌恵奈がごそごそと制服のポケットを探ってスマホを取り出す。
「ほら、ここ」
画面をグイッとあたしの顔に近づけた彼女は、今日なんかヘンだねと言う。
確かにヘンかも。
予想すらしていなかった人と再会してしまって、それに学校でリツが単独のあたしに興味を持って声をかけてきたり。
画面にはあたしが送ったらしい文面。
どこをどう見たってあたしが送っている。
絵文字1つないそれを読んで、もしかして・・・・・・と思う。
「ああ、そういえばそうだったかも。
ちょっと寝ぼけてたっぽい」
あははと笑えば、でしょと得意気になる彼女の顔を見て少し笑って。