その手に錠をはめるまで
あーあ、だからこういうのイヤなんだ。
きちんとあたしは言ったのにあたしに干渉するなって。
まだこれは先生が生徒を心配する姿に見えなくもないけど・・・・・・さすがに冗談がキツい。
「あのっ、三枝(さえぐさ)先生って響姫の・・・・・・」
ああやっぱりほら、公私を混同しすぎだ。
ここは学校ってことを忘れてもらっちゃ困るのに。
「ああ、萌恵奈か」
ポツリと先生らしからぬ言葉が出てきたことに萌恵奈は驚いて私を見る。
「実はこの人、私たちと同じよ?」
心底驚いたらしい萌恵奈は未だに目をぱちくりしている。