その手に錠をはめるまで
この反応はまずかったかな?
「おいおい、またルイさんが手を出してるぞ」
「ホントああいうことをするの好きだよな、ルイさん」
へ~、こいつルイって言うの。
そっかそっか。
で、さん付けする辺り、上の奴か。
「俺、ルイさんにも憧れていたんです!
男の俺でも見惚れるようなフォーム!」
そう言って拳を握りしめて、天高々に手を上げる。
「あー、分かった分かった~。
もうキミうるさすぎだよぉ。
静かにしてよねぇ、ただでさえ目立つってのにさぁ」
独特の間延びした声にイライラしながらも、あたしはキラキラとした目で見つめる。