その手に錠をはめるまで


この反応はまずかったかな?



「おいおい、またルイさんが手を出してるぞ」



「ホントああいうことをするの好きだよな、ルイさん」



へ~、こいつルイって言うの。


そっかそっか。


で、さん付けする辺り、上の奴か。



「俺、ルイさんにも憧れていたんです!


男の俺でも見惚れるようなフォーム!」



そう言って拳を握りしめて、天高々に手を上げる。



「あー、分かった分かった~。


もうキミうるさすぎだよぉ。


静かにしてよねぇ、ただでさえ目立つってのにさぁ」



独特の間延びした声にイライラしながらも、あたしはキラキラとした目で見つめる。



< 18 / 169 >

この作品をシェア

pagetop