その手に錠をはめるまで



「俺、そんなに不安がってましたか!?」



不安なんてみじんもないのに、おかしくて笑えてくる。



「いやぁ、なんとなく、だよぉ?


間違ってたんなら悪かったねぇ」



悪かっただなんて思ってもいなさそう。


まあ、別にいいけど。



「心配してくれたんですか!?


ルイさんっ、惚れました!!」



「ごめん、そっちに興味はないんだなぁ?」



すかさず入れられた突込みに、しょんぼりとした風を装う。


それにしても広い。


広すぎる廊下をいくつかの隠し扉を通って通って通り抜けて行く。


全ての道順は覚えたけど、それでも足が疲れる。



< 21 / 169 >

この作品をシェア

pagetop