その手に錠をはめるまで
「俺、そんなに不安がってましたか!?」
不安なんてみじんもないのに、おかしくて笑えてくる。
「いやぁ、なんとなく、だよぉ?
間違ってたんなら悪かったねぇ」
悪かっただなんて思ってもいなさそう。
まあ、別にいいけど。
「心配してくれたんですか!?
ルイさんっ、惚れました!!」
「ごめん、そっちに興味はないんだなぁ?」
すかさず入れられた突込みに、しょんぼりとした風を装う。
それにしても広い。
広すぎる廊下をいくつかの隠し扉を通って通って通り抜けて行く。
全ての道順は覚えたけど、それでも足が疲れる。