その手に錠をはめるまで



「どこに行くのか、聞かないんだぁ?」



そんなの、聞くわけがない。


どこでもいいし。


まあ、そんなことを言ったらこのキャラが崩れてしまうから言わないけど。



「ああっ、そういえばどこに向かってるんですか?


俺、知らずについて行ってたんですけど!」



笑える。


どこだっていいってのに、なんでまた、ねぇ?



「今更聞くって、もう遅いんだよねぇ」



その声とともに、目の前の扉を見つめる。



「もしかして、ここだったりするんですか!?」



「ふふっ、さぁ、どうかなぁ~」



焦らされるのってムカつくんだよね。



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