その手に錠をはめるまで



「すっ、すいません!


俺なんかがルイさんよりも先に行っちゃってっ」



そう言ってあたしはこいつを先に行かせる。


ねえ、こんなのがRへの手掛かりになるの?



「別にいーんだよぉ?


ただちょっと、普通と違う君に興味を持っただけぇ」



興味なんて持たないでくれ。


あたしは興味を持ってほしいわけじゃないんだよ?


ただ、できればあたしを見て、あたしに騙されてRについて教えてくれるだけでいいの。


R、R、R。


あんたがいなければあんなこと、起らなかったんだよ?


ねえ、早くあんたを壊して、あんたの従者くんたちにあんた以上のことをしてあげるよ?


だからさ、R。


早く出てきてよ。


あたしの目の前に顔を出してよ。


そしたら感じたことのないような苦痛を味わわしてあげる。



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